見て見ぬ振りはできない
はい、どうも、あなごです!
あまりオカルト的なことは信じない僕ですが、
宗教には一目置いています。
人類の歴史の出発点を仮に新人類とした場合、約20万年。
クロマニヨン人が現れてから約4万年、続いてきたわけですが、
人々が生み出したもので、最も長い歴史を持つものの一つが、
宗教ではないでしょうか。
キリスト教、イスラム教、仏教と世界三大宗教をはじめ、
日本の神道も十分長い歴史を持っていますが、
人が生み出し、紡ぎ、守ってきたものが、宗教です。
僕は専門家ではないので断言することはできませんが、
宗教もある意味文化であり、人類の歴位を紐解く一つのピースであるのだと思います。
演劇も、古代ギリシャの時代まで遡れば、とんでもない歴史を持つ文化なわけですが。
ちょうど今、ローマ教皇が日本に来ています。
広島、長崎と訪問し、そして東日本大震災の被災者とも会っているようですね。
ローマ教皇はキリスト教カトリックのトップです。
そんな人が多忙の中日本に来ている。これはとてもすごい事です!
御存知の通り、日本は宗教の自由が認められています。
もともと日本は神の定義がとても広いので、なんでも信仰できちゃうのが良いところですよね。正月も、バレンタインも、お盆も、クリスマスも楽しんじゃう。
こんな国なかなか無いですね笑。
でも、世界を見渡せば、国が、国教として宗教を定めているケースは意外と多い。
当然、欧米諸国はキリスト教が中心だし、アジアは仏教、中東はイスラム教と、地域ごとに傾向はあります。
日本にキリスト教がやってきてから、まだ500年も経っていません。
もちろん、日本でもキリスト教徒はたくさんいます。教会はそこらじゅうにあるし、ミッション系の学校だっていっぱいある。知り合いに何人もキリスト教徒がいます。
ただ、誤解を恐れずに言わせていただくと、
日本はキリスト教的には、さほど重要な国ではないはずです。
しかし、なぜローマ教皇は日本に来ました。
ただただ、平和を追い求める人として。
罪なき犠牲者に寄り添うため。
遥かな距離を超えてこの日本に来ました。
演説文を読み、心に染みました。
まだまだ自分たちにできることはある。
そう勇気づけさせてくれる言葉でした。
宗教とは不思議なものです。
時に人を救うかと思えば、対立を生むこともある。
悪用すれば、人を、挙げ句には国さえ操ることができる。
だから、政教分離なんて考え方もあるのだし。
ただ、やはり宗教とは、人の心を律し、往くべき道を示す道標のようなものなのだと思います。
それは人それぞれあって良い。
けど、誰しもが平和を願っているはず。
みんな、安心が欲しいだけなんです。
宗教を超えて、人は守っていかなければいけないことがあるような気がします。
教皇の演説にもありましたが、
「守るためには、記憶していかなければならない」
当たり前ですよね。
約束だって、忘れたら守れないですから。
政治家だって、選挙で言ってたことを忘れる時代ですし、
自分がやったことも、記憶にございませんで済ませる時代ですが、
記憶に留めること。
その役目だけは、演劇人として負っていきたい。
だからこそ、『BIRDMEN』も、『Five Star』もやる価値がある。
どんな形でも、
伝えられるなら。
少なくとも、作品を通じて、その出来事を考える人が一人でもいるのなら。
作品を創る価値はある。
3月の再演へのさらなる覚悟を持つ力を、
ローマ教皇にいただいた気がします。
いつになく真面目だ!
不真面目になろうと思ったのになぁ~!
写真はこの前行った子犬カフェ!
この子たちの笑顔を奪うようなことは、絶対しちゃいけないんだ!
月曜担当 長島弘志