あなごのこだわり ~誕生日ケーキ編~
この間タカヤと話した時に『別にスグロさんのこだわりじゃなくてもいいんじゃねーの?こだわりはこだわりなんだし。』と、目から鱗の発言をしてきました。
あ、頭いい………!!
その手があったか!!
という訳で。今日はあなごのこだわりを紹介します。
あなごと会ってもう5年くらいは経つのか?
そのぐらい付き合いがあれば、あなごのこだわりの1つや2つ容易に想像つくってもんです。
あなごのこだわり、それは…………
『誕生日ケーキの火』だ!!
2019年、3月14日の事でした。
その日はBIRDMEN再演の集中稽古。あーでもないこーでもないと、皆で奮闘していました。
そしてその日は、鬼のように厳しい我等が演出家様の誕生日だったのです。
「さすがになにかやらないと、怒られるかもしれない………」
そう危惧した我々は、誕生日ケーキを用意する事にしたのです。
稽古の休憩時間に入り、演出家様と話して時間を稼ぐ班、ケーキを用意しスタンバイする班に別れ、ミッションはスタートしました。
演出家様と話す班は、その時間が長引けば長引くほど「日常会話から芝居の話しに変わり結果ダメ出しされる」というリスクを負っています。なるべく早くケーキを用意しなければなりません。
地下一階の稽古場から地上二階の冷蔵庫まで、あなごがダッシュでケーキを取りにいきました。
しかし待てど暮らせど、あなごが戻ってきません。
時間稼ぎ班もダメ出しされ始めました。
全員が焦りながら、あなごの帰りを待っていました。
そしてやっと、階段を駆け降りる音が!
現れたあなごはなんと!
何も持っていませんでした。
もちろん全員から総バッシングです。
『おせーよ!』
『っていうかケーキはどうした!?』
『ケーキ1つ持って来れないのかお前は!!』
『何があった!!』
するとあなごは言いました。
『施設の都合上蝋燭に火をつけちゃダメらしい。だから諦めて帰ってきた。』と。
ふざけるなー!
メンバー『火なんてどうでもいい!』
あなご『蝋燭に火がついてなきゃ誕生日ケーキじゃない!』
メンバー『今ここで渡せなきゃよっくん帰っちまうぞ!』
あなご『でも誕生日ケーキは火がないと!!』
そう、よっくんは仕事の関係で、稽古を途中で帰らなければならなかったのです。
メンバー全員が揃ってケーキを渡せるのはこの時間だけ………。
しかしあなごは渋ります。
あなごにはおそらく『誕生日ケーキには火が灯っていなければダメ』というこだわりがあったのでしょう。
あなご『誕生日ケーキは火が灯ってるから誕生日ケーキなのであって、火が灯ってないケーキはなんでもないただのケーキ………』
メンバー『いいから持ってこい!!!』
渋々あなごはケーキを取りに行き、全員で無事火の灯らないケーキで誕生日をお祝いしたのでした。
サプライズには全力を尽くす男。妥協を許さないその姿勢はすごいが、たまに非常にめんどくさい。
そんなあなごを、これからもよろしくお願い致します。
怒られなくてほっとした男 スグロ