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不便をデザインする

最近はもっぱら根暗が加速しています、金森です。

もともと喋らない性格が輪をかけ始めました。

 

 

さて今日は不便の利益『不便益』についてです。

 

ラウドヒル計画でもこれあって良かったなーって思った話です。

 

それだけ読みたい方は後半だけ読んで下さーい。

 

【ヤマハSR400

 

SRというバイクがあります。

ヤマハ発動機が43年ほど作り続けているベストセラーのバイクです。

人気が高く多くのバイカーから愛され、複数台所有している方がいるくらい、飽きることのない美しいバイクなのですが

 

これが本当にめんどくさい名乗り物なんです。(僕は所有していないです)

 

スイッチ一発でエンジン始動できる世の中。

手順が多い「キックスタート」という手法でエンジンをかけます。

 

 

今となってはすごく原始的な始動方法です。

 

(イメージとしては火を起こす時、ライターじゃなくて原始人みたいな火の起こし方)

 

 

【不便を愛着にかえる】

 

そして他にも乗りづらさが。

 

・エンジンがキックスタート

・始動手順が多い

・始動ミスすると足を痛める

・振動がすごい

・振動でナンバープレートがちぎれる

・速度が出せない

・疲れやすい。

……など。

 

明らかに不便です” 

 

ですがコレらはすべてわざとやっている事のようです。

 “不便だからそれと向き合っているとだんだん愛着に変わっていくわけです。

 

世話のかかることがいい、私が居ないと何もできない

みたいな感覚に陥るアレです。

 

 

【繋がりを創造する】

 

そして1番の特徴というか利点というか。

 

この不便はコミニュティをも作り出しています。

 

SR乗りはSR乗りと仲が良くなりやすい。

 

単に同じバイクに乗っているから親密感があるだけではなく

 

不便だから「ここどうしてる?」と所有者同士で情報共有したり

 

「共感できる箇所」が多かったり

 

最終的にはエンジンが掛からないなど面倒をタネに助け合ったりしているわけです。

 

コレが意外と強い繋がりを作り出しています。

 これ、普通の乗り物ではあまりできないですよね?

 

これらはSR乗りにしか分からない(理解できない)共通意識・言語を不便が作り上げているわけです。

 

走ることが主な乗り物だけど仲間を作るには特化した乗り物のようです(他にもあるけど、ざっくりと)

 

ちなみに僕はSRに乗っているような子がタイプです。

 

 

【助け合う街】

 

上のSRに関しては、ただ好きで書きたかったから書いただけなんですが

 

さて、もっと身近で考えてみましょ。

 

例えば足の不自由な方。

 

健常者さんには想像できないくらいに、車椅子や松葉杖、足が不自由な方は外に出るだけで一苦労です。

 

外に出れば必ず誰かの支えが必要になる場面があります。

 

階段を登る、椅子に座る、車から降りる、落とし物を拾うなど、1人では困難な曲面も。

 

(僕は子供の頃、年に一回はよく骨を折っていたおバカさんなので同じ状況でした)

 

静岡はまだ、街の作りが昔のままのところが多く障害者さんに優しい街にはなり切れてはいないようです。

 

周りの方の理解や想像性という点もありますが、その辺を膨らませると収拾がつかないのでまた次回。

 

理由の一つとしては車社会である事が挙げられるでしょう。

 

それ故かバリアフリーが行き届かないのかもしれません。

 

が!

 

不便益という見方からいうとバリアフリーになりすぎると人との繋がりが少なくなります。

 

 

【便利すぎると失うもの】

 

階段を上がるのも、椅子に座るのも

 

全て全自動にすると手助けする隙がなくなります。

 

 

健常者さんは無意識に

 

1人でできるだろうから助けなくてええやん」

 

となります。

 

“”不便益”の考えからすると

 

不便を共有することにより、互いに愛着が湧くわけですし

 

助け合うことにより繋がりが強くなるわけですから

 

アンテナが(相手を想う気持ち)低くなってしまっては意味がありません。

 

バリアフリーになりすぎると「助け合わなくてもどうにかなる」が生まれやすくなってしまうので、人との距離が空いてしまう可能性があります。

 

バリアフリーしすぎると

心がバリアフリーになりづらいってわけですね。

 

助ける側の負担や、助けてもらえる側のリスクは

 

どう不便をデザインして

利益に変えるかで

 

大きく視界が変わりそうです。

 

以前ハンドルズの舞台作品に参加させてもらった時

 

そんなことを思ったりしました。(伝わってるかな?)

 

助け合う、支え合う、不便を共有してどうデザインしていくかで人と繋がるという利益は大きく変わりそうっす。

 

僕には色々と想いがありますが今日のところはこんな感じでー。

 

 

金森恭平

 

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