匂いってあるよね。
人間の５感、嗅覚。
その機能は生きてく上で必要だからついた器官なんだろう。

物を食べる時に、腐ってないか。
目には見えないけど、近くで火事が起こってないか。
天気予報の無い時代、

雨や雪の前触れを感じとったりとか。

たかだか、匂い。
けどその実、すごい情報量を与えてくれるものだと、思っている。

例えば、外国の匂い。
その土地の気候、風土、国民性、全ては勿論分からないにしても、

なんとなく感じとれたりする。

渇いた匂いか？湿った匂いか？
植物の匂いか？土の匂いか？
ゴミの匂いか？香水の匂いか？

外国となると、くくりがでかいし、

行った事の無い方には分かりづらいかもしれない。
でも一番分かりやすい例えが、実はある。

 

家の匂いだ。
ご飯の匂いがするのか。
洗濯物の匂いがするのか。
香水の匂いがするのか。
ゴミの匂いがするのか。
特定のものが分からなくても、なんとなく良い匂いか、嫌な匂いか。

勿論家の匂い一つで、その人の人間性全てを決定付けるのは乱暴だ。

だけど、人と付き合う上で、実は信用度の高い情報を与えてくれていると思っている。

よく分かんないけど、安心する匂い。
ほっとする。なんの解決もしていないのに、

その日あった嫌な事が、波立った心が、ほんの少し、

ほんとにちょっぴりだけど、和らぐ。
家族、恋人、友人。
ここまで書いておいてアレなんだけど、どうなんだろうね。
その匂いで安心するのか。
その人の傍が心地よいから、安心する匂いになるのか。

自分はどうなんだろ。

自分の匂いって分かんないじゃん。

性根の腐った匂いとかすんのかな。

人に安心感を持たせられる匂いに、俺はなれてんのかな。

とりあえず今、部屋の匂いは幸せの匂いだよ。

換気扇を回せば、１日経てば消えちゃう匂いだけど、とにかく今は。

今だけは幸せの匂いなんだ。

 

夏野菜とキノコのカレー。
少し固めに炊いたご飯と合わせよう。
冷たい麦茶も入れよう。
そしたら洗い物だ。
カレーの洗い物、めんどくせーんだよなぁ………