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ロッチの10日目見惚れて俺もビール飲む

仕事が終わり、今日も1日疲れたなと、板橋駅東口前の喫煙所で一人煙草を吸っていた。

仕事を終えたか、これから仕事か。たくさんの人が改札に出入りしている。

夏といえど、もう外は暗くて。暇だったから読みかけの小説を読もうかと一度は出したんだけど、諦めた。

仕方がないから、充足感なんてものがあった訳じゃないにも関わらず、ただぼーっと、煙草を吸っていた。

クラクションがうるせーな。

こんだけ暗くても、まだ蝉は鳴くんだなぁ。

一本目の吸い殻を灰皿に落とし、二本目の煙草に火をつけるか迷っていたら。

ふと目の前のコンビニから、女の人が出てきた。歳は俺と同じか、少し上くらいかな。

女性の服の事はよく分からないけれど、ノースリーブで、ヒラヒラしてて、下はGパンで。うわ、この表現すげーださい。

額に寄せた眉と目付きは、あまり元気がなさそうだったんだけど、化粧気の無いその顔が、なんだかすごく綺麗に見えて、思わず目で追ってしまってた。

そしてコンビニから出てきたという事は、恐らくなにかしらを購入したという事である。その右手に持ってたものは。

裸のアサヒスタイルフリー糖質ゼロだった。

袋にさえ、入っていないのだ。しかもロング缶だ。

彼女はそれを、店から出て3秒後に、一切の躊躇なく開け、飲み下した。

とても綺麗だった。大げさかもしれないが、働く女性の辛さと、強かさと、美しさを、ほんの少し、垣間見た気がした。

ちなみにおっさんがコンビニからワンカップ持って出てきて一気飲みしていたとしたら、違う感想を持った事だろう。

彼女は他人の目も気にせず、長髪のキモいヤツがガン見してるとも知らず、満足げに空き缶をゴミ箱に捨てた。その些細な一つ一つの所作さえ、綺麗に見えた。多分実際綺麗だったんだと思う。

あれは別に、異性的に好感を持ったとか、そういう事じゃないんだ。

素敵な絵画を見た時のような、良い舞台を観た時のような、そんな感覚だったと思う。

あー。思い返してみれば、確かに綺麗だったのは間違いないけど、なにより、格好良かったのかな。

素敵な人だった。

あまりにもあの人が美味しそうに糖質ゼロを飲むものだから、俺もつい帰りがけに買ってしまった。

ここ数年はダイエットと称して、ビールや日本酒、ワイン等はなるべく絶ってたから、ゆっくり飲むのは久々だ。

夏ということ。仕事終わりということ。なによりあの格好良い姿を見れたこと。

実際の味は置いといたとしても、旨いと断ずるに些かの迷いもない。

あの人にどんな苦労があるかは知らないよ。名前すら知らないし。恐らくこの先会う事だってない。

けど、なんだか『ありがとう』と言いたい。

キモいかもしれないけど、今日美味しいビールが飲めたのは、間違いなく、あの人のおかげだ。

ありがとうございました。

よし。頑張るか。

 

8月毎日担当 ロッチ

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