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拝啓ドンファン

 

誰しもがモテたいハズだ。

誰しもが褒められたいハズだ。

先日アクション 新撰組血風録の稽古後飲み会で、共演者の平井氏とゆりさんという方と、そんな話になった。

モテたいという態度や欲求を、あまりに露骨に表し過ぎると、人によっては下品と捉えられてしまう事も多い。しかしそのモテたいという感情自体は、とても自然で、決してネガティヴな要素は無い、素敵なものだと思うのだ。

俺だって勿論そうだ。モテたい。そう、モテたいのだ!

きゃーきゃー言われたいし、頭を撫でてもらいたい!両手に収まらぬ花束を!日々送られる黄色い声を!年を通じて行われるバレンタインやクリスマスを!心ウキウキ楽しみたいのだ!

しかしそうは出来ぬ。出来ぬのだよワトソン君。ほぼ全ての男子諸君は分かってくれるハズだ。

プライド、自信、技術、真心。全てを上手く噛み合わせられる男のみが得られる、それは特権なのだ。

変なプライドが邪魔して、格好つけてしまう。
自信がないから、守りにはいってしまう。
技術がないから、スマートな女性の誉めかたや立ち振舞い等を心得てる訳でもなし。
真心だけあっても、それらが無ければ、結果クズと変わりなかろうて。

モテると一言に言っても、その実なんと難儀な事だろうか。

最近エイトビートウェブリーダーあなご君に、モテ期の風が吹いている。人生で三度来るという例のアレである。

その風に吹かれている彼の横顔は自信に満ち溢れていて、どことなく精悍で、少し大人になったようで、その顔は、ぶん殴りたくなるに足る顔つきであった。

私もいつか、あんな顔をしてみたいものである。

まだ一度も来ていない例のアレは、私には一体いつ来てくれるのか。

いや、そんなものに頼ってはいけないな。プライドも技術も自信も真心も、ちゃんと培っておけば、モテる云々関係なしに『魅力ある人間』になれるハズだ。
そしてそれは同時に、きっととても『優しい人間』とも言えると思うのだ。

生きていく上でも、役者の上でも、本当に大切な事だ。

一朝一夕では出来ないけれど、魅力ある人間、優しい人間になりたいですね。

ってなんとなく上手くまとめた風だけど、モテたいという言葉を小綺麗に飾り付けただけという言葉のマジック。

日本語の奥ゆかしさ、なんて便利。

拝啓ドンファン。稀代のプレイボーイ。僕は貴方に憧れる。

 

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