マンティス
ふとタバコを吸おうとベランダに出た。
室内ですうと家具や壁に匂いがつくし、くすみまで出来てしまう。
暑くても寒くても外に出る他無い。
街中の蛍になる瞬間だ。
窓を開け、スリッパを履き、ポケットからラッキーストライクを取り出し一本抜く。
コンビニで買った、何故かライト機能つきの緑色百円ライターで火を付け、
まるでドラマの主人公気取りの憂いを含めた顔をして、
煙を燻らす。
室内のテレビでは日々起こる悲惨な事件を、ニュースキャスターが淡々と報告している。
それに対しコメンテーターが時に激しく、時に叙情的に、論を発している。
夏の風が吹く。
何が正しくて何が間違いなのか。
世の中の矛盾に気づく度に目をそらしてきた。
僕はまた煙を口に含み、灰を皿に落とおおおオオオォォォォォォォッッッ!!!
カマキリだ! カマキリいんじゃん!!
全然気づかなかったよ!
もう小説やドラマのワンシーンみたいなくだりいらねぇや!
今回はカマキリの記事書こう!!
僕はカマキリというヤツ、なかなか好きだ。
一般的にも肉食昆虫の中で一番馴染みやすいのが、カマキリだと思う。
葉っぱに擬態した鮮やかな緑色(もしくは茶色)。
死角の存在しない見事な複眼及び単眼。
空を斬る透明な羽。
そして得物を逃さぬ二対の鎌。
かっこいいぜ……。
捕食対象は時に蛙や小型のヘビにまで及ぶというのだから驚きだ。
正確な情報かわからないが、通常カマキリを捕食する側である小鳥すらも捕食したケースがあるらしい。
その戦闘能力の高さからか、かの有名な格闘家、範馬刃牙氏も対戦相手に指名したというのはあまりにも有名な話である。
さすがにスズメバチ等の相手となれば分が悪いかもしれないが、上記の通り、馴染みが深く、親しみやすい昆虫の中ではトップクラスの戦闘力、かっこよさと言えるだろう。
でもこいつ鎌が片方折れてんな。
なんか何者かに負けた臭い。
自然界は厳しい。
試しに指を目の前でひらひらさせて喧嘩売ってみたら、速攻で攻撃してきた。
思ったより痛くてテンション下がった……。
でもそっちからしたらいい迷惑だよな、ごめんよカマキリ。
余談だが、世の中には『カマキリ』ならぬ『カマキラズ』とういう昆虫がいるのをご存知だろうか。
こいつ、カマキリのくせになんと、鎌が無い。
和名を命名した学者はこの名前を思いついた時、ドヤ顔してにんまりしたに違いない。
そう考えるとなんかちょっとウザい。
カマキラズという虫がいて、鎌が無いというのは知っていたが、実物はもちろん、写真も見たことがなかった。
せっかくブログ書くのだからと調べてみると……
鎌あるじゃねーか!(笑)
いや確かに普通のカマキリよりかは小さいかもしれないけど、おもいっきり鎌2本装備してるぞ。
名前、あてにならないぜ。
そういやここしばらく、ブログの終わりに名前を書くのを忘れていた。
俺、勝呂達基(スグロ タツキ)です。
土曜日は毎週書いていますので、他のメンバーの記事ともに、週末の暇つぶしとしてよろしければお読みください。
それではまた来週。