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ロッチの不定期連載 ~明太子への道~

諸君、私は明太子が好きだ。

ご飯に、パスタに、パンに、酒のあてに。

こいつさえいれば、日々の食事は薔薇色さ。

しかし世の中完璧なヤツなど居はしない。

完璧、完全を求めるからこそ、人は日々進化を求めるのだ。そしてその法則に漏れず、彼らにも残念ながら欠点が存在する。

それは・・・

高い!!!

グラム単価で言えば下手な和牛より高ぇぞあいつら。

生粋の凡人である俺からしたら、言わば高嶺の華、お金の余裕ある時しか買えぬ煌びやかなスター。いつもスーパーで横目に見ながら、食べたいなぁと通り過ぎるのだ。

しかしこの間。いつものように、スーパーで明太子の横を情けない顔で通り過ぎようとした、まさにその時。とある天啓が舞い降りた。

「買えないなら、作ればいいんじゃね?」

ものがないから何も出来ないというのは、現代人の貧弱な発想です。無いなら、作ればいいじゃない。

という訳で。数日後私の前には立派な真鱈の卵が鎮座ましましていました。

うおぉ、なんか禍々しい見た目ですね。

それもそのはず。

これは上記の通り、真鱈の卵です。

皆がたらこ、明太子と聞いて思い浮かべるソレは、スケトウダラという鱈の卵。

真鱈の卵はスケトウダラに比べ数倍も体積が大きく、そして値段が安い。

もしこれで明太子が自作できれば、めちゃくちゃ安価に明太子食い放題というアメリカンドリームが成立する訳です。

これはビッグビジネスな予感がします。

やっていきましょう。

まず鱈科の魚はアニー(アニサキス)がとても付きやすいです。加熱調理ならばともかく、生食がメインとなる今回は彼らをまず無力化しなければなりません。

彼らは低温に弱いので、冷凍庫にぶっこんで、三日ほど放置します。

その後塩をアホほど振りかけて、水分を抜きつつ下漬けをします。本来のスケトウダラならば数時間でいいですが、今回の真鱈はサイズ的にも数倍、且つ皮が非常に厚いので、二日ほど漬けることにしました。

ぷにぷにだった感触がグニグニとした弾力ある手触りになったら頃合い(な気がする)。

適当に抜けた水分を捨て、二日経ったら卵を日本酒でキレイに洗い流します。

その後日本酒、出汁、醤油、唐辛子、ゆず・・・は無かったので、冷蔵庫にあったレモン汁を適当にぶっかけ、身を浸します。

血の池地獄ってこんな感じでしょうか。生きてる内は善い行いをしようと、心に決めました。

さて、これもスケトウダラならば数日で出来る事ですが、諸々鑑みて十日漬けてみました。

ちなみに賢い方なら分かるかもしれませんが、かなりリスキーです。

どこかの調理でミスがあったならば、いや、下手したらミスがなくても、食中毒の危険待ったなしです。

わざわざ言う必要もないかもしれませんが、真似しないでください。

ここまできてようやく、冷凍、下漬け、本漬けを経て、試食の段階に至りました。トータル二週間以上かかった事を考えると、なかなかたいしたスローフードだぜ・・・。正直途中めんどくさくなって、何度か心が折れかけました。

しかしこれもビッグビジネスの為。これで味が良くて体調に異変がなければ(←ここ大事)、俺の今後の明太子人生は薔薇色も同然。

いざ・・・

実食・・・!!!

~次回へ続く~

エイトビート創作料理担当 スグロ

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